はじめての薬膳・養生

梅雨のだるさ・むくみをケアする薬膳・養生食:身近な食材と簡単レシピ

Tags: 梅雨, 養生, むくみ, だるさ, 身近な食材, 簡単レシピ, 湿邪, 体調ケア

梅雨の時期は、雨が多く湿度が高い日が続きます。この時期になると、体が重く感じる、むくみやすい、食欲があまりない、お腹の調子が崩れやすいといった不調を感じる方もいらっしゃるかもしれません。

これらの梅雨時期の不調は、薬膳や養生の考え方では「湿邪(しつじゃ)」の影響と捉えることがあります。湿邪とは、体の中に余分な水分や老廃物が溜まり、巡りが滞ってしまう状態を指します。外からの湿気(梅雨の湿度の高さ)が体内に影響を与えることで、このような不調が現れやすくなると考えられているのです。

なぜ梅雨に不調を感じやすいのか?薬膳・養生の視点

薬膳や中医学の考え方では、私たちの体は自然環境と密接に関わっていると考えられています。梅雨は湿度という「湿邪」が増える季節です。この湿邪が体の中に入り込むと、体内の水分代謝がうまくいかなくなり、さまざまな不調を引き起こすことがあります。

具体的には、以下のようなサインが現れやすくなります。

これらはすべて、体の中に余分な「湿」が溜まっているサインかもしれません。

梅雨の湿邪ケアの基本:体内の「湿」を取り除く

では、梅雨の不調を和らげるためには、どのようなケアが有効なのでしょうか。薬膳・養生では、体内の余分な「湿」を取り除くこと、そして「湿」が溜まりやすい胃腸の働きを助けることが重要だと考えられています。

難しく考える必要はありません。いつもの食事に少し工夫を加えたり、身近な食材を選んだりするだけで、体の中から湿邪のケアを始めることができます。

身近な食材でできる梅雨の養生

体内の湿を取り除くには、「利湿(りしつ)」や「健脾(けんぴ)」の働きを持つ食材がおすすめです。「利湿」は体内の余分な水分を排出する働き、「健脾」は胃腸の働きを丈夫にする働きを指します。

スーパーなどで手軽に手に入る、これらの働きを持つ食材をご紹介します。

これらの食材を日々の食事に意識して取り入れてみましょう。

無理なく簡単!梅雨におすすめの薬膳・養生レシピ例

「薬膳レシピ」と聞くと難しそうに感じるかもしれませんが、特別な調理法や高価な食材は必要ありません。身近な食材を使って、いつもの料理を少しアレンジするだけで、梅雨の養生になります。

例1:きゅうりとワカメの酢の物 きゅうり(利湿)とワカメを使い、お酢で和えるだけ。さっぱりとして食欲がない時にも食べやすく、手軽に湿気ケアができます。お酢は消化を助ける働きもあります。

例2:とうもろこしのひげ茶 乾燥させたとうもろこしのひげを煮出すか、お湯を注ぐだけ。飲むだけで簡単に水分代謝をサポートできます。ノンカフェインで、温かくしても冷やしても美味しいです。

例3:はとむぎとあずきの炊き込みご飯 お米にはとむぎとあずきを加えて炊飯器で炊くだけ。主食としてはとむぎとあずきの利湿・健脾の働きを取り入れられます。もちもちとした食感で美味しく続けられます。

例4:生姜と大葉のシンプルスープ 鶏ガラスープなどのベースに、薄切りにした生姜と刻んだ大葉を加えるだけ。体を温め、胃腸の働きを助け、梅雨時期の冷えや食欲不振に寄り添います。豆腐やきのこなどを加えても良いでしょう。

どれも特別な技術は不要で、普段の料理に簡単に取り入れられるものばかりです。

食事以外の梅雨の養生ヒント

食事以外にも、梅雨時期の養生として心がけたいことがあります。

まとめ

梅雨時期に感じる体の重だるさやむくみ、胃腸の不調は、湿気の影響による体内の「湿」の滞りが原因かもしれません。薬膳・養生の考え方では、体内の余分な湿を取り除き、胃腸を整えることが大切だと考えられています。

ご紹介したように、きゅうりやとうもろこし、はとむぎ、あずき、生姜、大葉など、身近な食材を使った簡単な方法で、日々の食事から梅雨の養生を始めることができます。特別な食材や難しい調理法は必要ありません。

今日からでも、いつもの食卓にこれらの食材を少し加えてみたり、簡単レシピを試してみたりするのはいかがでしょうか。体の内側からケアすることで、梅雨の時期を少しでも快適に過ごすことができるかもしれません。

これらの情報は一般的な薬膳・養生の考え方に基づくものであり、病気の治療を目的とするものではありません。体調に不安がある場合は、専門家にご相談ください。